歯周病はかつて、「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていました。以前は高齢者がかかる病気だと考えられていましたが、近年では若年層にも歯周病患者や予備軍が増えており、10代や20代といった若者がかかるケースも少なくありません。
初期の歯周病は痛みなどの自覚症状がほとんどなく、悪化に気づきにくいことが特徴です。歯ぐきの炎症によって歯を支える顎の骨が溶かされるため、進行すると健康な歯がポロリと抜け落ちてしまったり、抜歯が必要になったりするケースもあります。
川崎市宮前区の歯医者「ガーデン歯科クリニック」では、歯周病を早期発見・早期治療するため、定期検診の受診をおすすめしています。自分では気づきにくい病気なので、私たち専門家と協力し、歯周病予防に取り組みませんか?
歯周病は口腔内環境を悪化させるだけでなく、全身の健康に悪影響を及ぼす恐れのある病気です。歯周病菌が血管をとおって全身に運ばれると、さまざまな病気の発症リスクや進行リスクを高めてしまいます。気管から肺に入り込むことで、肺炎の引き金になるケースもあります。
また、歯周病で歯を失ってしまうと全身のバランスが崩れ、肩こりや腰痛を招く可能性もあります。そうなる前に、早めの対処が必要です。
肺炎 | 糖尿病 | 心筋梗塞・狭心症 |
脳梗塞 | 早産・低体重児出産 | 頭痛・肩こり・しびれなど |
歯周病の発症や進行は免疫力と深く関連していることから、生活習慣病のひとつとして捉えられています。次の項目に当てはまる方は歯周病のリスクが高いため、歯科医院で定期検診を受診する習慣をつけましょう。生活習慣を見直すことも大切です。
喫煙者 | タバコの煙には有害物質が含まれており、それらがお口の粘膜から吸収されると、歯周病のリスクが高まります。 |
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間食の習慣がある | お口の中に汚れがとどまる時間が長くなるため、細菌が繁殖しやすくなります。 |
しっかりと噛まずに 飲み込む |
お口の中を洗い流す作用のあるだ液の分泌がうながされず、細菌が増えやすくなります。 |
ストレスが多い | ストレスがたまると免疫力が低下するので、感染症にかかりやすくなります。疲れている際も、同様に免疫力が低下します。 |
進行状況 | 治療法 | |
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歯肉炎・軽度歯周炎 | ブラッシング指導 | スケーリング |
歯ぐきが腫れて炎症が起きており、歯みがきで出血することがあります。歯周ポケットが深くなりはじめており、冷たいものがしみることがあります。痛みはまだありません。 | 歯周病治療の基本は、細菌の棲み家となる歯垢や歯石を取りのぞくことです。歯石になると歯みがきでは取りのぞけないので、歯石になる前に効果的な歯みがきの方法を指導します。また、「スケーラー」という専用の器具で歯周ポケットや歯と歯の間の歯石などを取りのぞく、「スケーリング」という処置を行います。 |
進行状況 | 治療法 |
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中等度歯周炎 | ルートプレーニング |
歯ぐきの炎症が悪化し、歯を支える顎の骨が溶けはじめています。歯を指で押してみるとグラつくことがあり、歯が浮くような感覚があるケースもあります。 | 歯周ポケット内部の歯石や歯垢、歯周病に感染した歯肉を、専用の器具で取りのぞきます。その後汚れが再び付着するのを防ぐため、歯の表面を滑らかにみがきます。 |
進行状況 | 治療法 | |
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重度歯周炎 | フラップ手術 | 再生療法 |
顎の骨が半分以上溶け、放っておくと歯が抜け落ちてしまうかもしれません。 | 局所麻酔をして歯肉を切開し、歯周ポケット内部の歯石や歯垢、膿、感染した歯肉などを取りのぞいていく「フラップ手術」を行います。また、溶けてしまった骨の再生をうながす「再生療法」を行うこともあります。 |
歯周病の原因は歯周病菌と呼ばれる細菌であり、歯垢(=プラーク)が細菌の棲み家になっています。歯垢を取りのぞくことで歯周病や虫歯を予防する方法が、「プラークコントロール」です。歯周病が進行すると歯を失ってしまう可能性もあるので、プラークコントロールによる予防でトラブルを防ぐ姿勢が大切になります。
プラークコントロールは、ご家庭での毎日の歯みがきで行えます。当院では、患者さんそれぞれのお口の状態に合わせた歯みがきの方法を指導しています。効果的なみがき方を身につけ、毎日のケアで歯周病を防ぎましょう。